白癬菌とは|皮膚糸状菌・ケラチンを栄養にするカビ
白癬菌は皮膚糸状菌と呼ばれる真菌(カビ)の総称で、複数の菌種が含まれます。 人の皮膚・爪・毛髪に多く含まれるケラチンというたんぱく質を分解して栄養源にする性質があり、 角質の中に入り込んで増殖します。細菌ではなくカビの仲間であるため、 抗生物質ではなく抗真菌薬が使われます。
白癬菌=水虫の原因菌
感染部位別の呼び方|足白癬・爪白癬・体部白癬・股部白癬・手白癬
原因菌は共通していても、感染した部位によって病名が変わります。 同じ白癬菌が体のいろいろな場所に飛び火することもあるため、 一箇所だけ治療しても別の部位から再感染するケースがあります。
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| 病名 | 主な感染部位 | 俗称 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 足白癬 | 足の指の間・足裏・かかと | 水虫 | 最も患者数が多い。趾間型・小水疱型・角化型がある |
| 爪白癬 | 爪(特に足の親指に多い) | 爪水虫 | 爪が白く濁る・厚くなる。外用薬が届きにくい |
| 体部白癬 | 胴体・腕・脚などの皮膚 | ぜにたむし | 輪状に広がる赤い発疹。ペットからの感染もある |
| 股部白癬 | 太もも内側・陰部周辺 | いんきんたむし | 汗をかきやすい部位。かゆみが強く出やすい |
| 手白癬 | 手のひら・指 | 手の水虫 | 片手だけに出やすい。足からの自己感染が多い |
手にできた白癬の詳しい見分け方は手白癬(手の水虫)の治し方、爪の症状は爪水虫とは|白濁・厚み・変形の見分け方で解説しています。
白癬菌の生存条件と、家庭内の温床
白癬菌は高温多湿な環境を好みます。目安として気温20〜25℃以上、湿度70%以上の環境で 増殖しやすいとされ、逆に乾燥・低温・強い紫外線には弱い性質があります。 問題は、剥がれ落ちた角質に付着した白癬菌が、床やバスマットなど湿った環境にとどまると、数日から数週間ほど生存し続けることがあるという点です。
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| 場所 | リスクの傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| バスマット | 高い | 濡れた角質が付着しやすく、乾きにくい |
| スリッパ・室内履き | 高い | 家族で共用しやすく、内部が蒸れやすい |
| 脱衣所・浴室の床 | 中〜高 | 素足で歩き湿気がこもりやすい |
| カーペット・畳 | 中 | 掃除機がけを怠ると角質が残り続ける |
| 靴の内部 | 中 | 連日使用すると乾く時間がなく蒸れが続く |
付着=感染ではない
洗濯・掃除でできる対策
白癬菌は熱と乾燥に弱いため、洗濯・掃除の工夫で生存条件を崩すことができます。 完全な殺菌を家庭のみで保証することはできませんが、対策を積み重ねることでリスクは下げられます。
- バスマット・タオル・靴下はできるだけ毎回洗濯し、天日でよく乾かす
- 可能であれば60℃前後の熱水につけ置きしてから洗濯する
- 床・カーペットはこまめに掃除機をかけ、角質を残さない
- スリッパは個人専用にし、定期的に洗う・買い替える
- 靴は連日履かず、1日おきに休ませて内部を乾燥させる
- 浴室・脱衣所は使用後に換気し、湿気をため込まない
家族間での感染対策をさらに詳しく知りたい場合は水虫の再発予防・家庭内感染対策をご覧ください。
抗真菌薬がどう効くか|スクアレンエポキシダーゼという作用点
白癬菌は細胞膜を作るためにエルゴステロールという成分を必要とします。テルビナフィン塩酸塩などのアリルアミン系抗真菌成分は、この合成経路にあるスクアレンエポキシダーゼという酵素の働きを妨げます。 その結果、菌の細胞膜が作れなくなるだけでなく、菌内部に有害な物質(スクアレン)が蓄積して、菌そのものが死滅する殺菌的な作用が期待できます。
成分によって作用点が異なる
イミダゾール系(ミコナゾールなど)は、エルゴステロール合成のより下流にある酵素を阻害します。 作用点は異なりますが、いずれも「菌の細胞膜を作れなくする」という発想は共通しています。 国内の一般用医薬品ではミズムクリアEXのようにアリルアミン系成分を配合したものが多く流通しています。
検査方法|顕微鏡検査(直接鏡検)と培養検査
自己判断で「水虫だろう」と決めつけると、実際には湿疹やカンジダ、乾癬など別の皮膚トラブルだった というケースも珍しくありません。皮膚科では次のような検査で白癬菌の有無を確認します。
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| 検査名 | 方法 | わかること | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 直接鏡検(顕微鏡検査) | 患部の角質や爪を少量採取し、顕微鏡で観察 | 白癬菌の有無をその場で確認できる | 数分〜十数分 |
| 培養検査 | 採取した検体を専用の培地で数週間培養 | 菌の種類まで特定できる | 数週間 |
市販薬を使う前後を問わず、症状が長引く・広がる・自己判断がつかない場合は、 この検査を受けることが最も確実な方法です。
白癬菌に関するよくある誤解
- 「乾燥する冬は白癬菌がいなくなる」→ 冬でも角質の奥や靴の中は湿度が保たれ、菌が残ることがあります
- 「見た目が治れば菌もいなくなっている」→ 角質や爪の奥に菌が残っていることが多く、途中でやめると再発しやすくなります
- 「一度かかったら一生うつらない」→ 免疫がつく病気ではなく、条件がそろえば何度でも感染します
ミズムクリアEXは第2類医薬品 / 水虫治療薬で、有効成分テルビナフィン塩酸塩を配合した液剤です。 単品2,178円、3本+1本無料なら1本あたり1,370円・送料無料でご用意しています。
本ページは一般的な情報提供を目的としており、診断・治療を保証するものではありません。 市販薬は用法・用量を守り、添付文書をよくお読みのうえお使いください。症状が改善しない場合や 自己判断がつかない場合は、医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。
白癬菌に関するよくあるご質問
Q. 白癬菌とはそもそも何ですか?
A. 白癬菌は皮膚糸状菌と呼ばれるカビ(真菌)の一種で、皮膚や爪、毛髪に含まれるケラチンというたんぱく質を栄養にして増殖します。感染する部位によって足白癬・爪白癬・体部白癬などと呼び名が変わりますが、原因菌は共通しています。
Q. 白癬菌はどのくらいの期間生きられますか?
A. 条件によって幅がありますが、剥がれ落ちた角質に付いた白癬菌は、湿度や温度が保たれた環境(バスマットや床など)で数日から数週間生存し続けるといわれています。乾燥した環境では生存期間が短くなる傾向があります。
Q. 白癬菌はどんな条件で死滅しますか?
A. 高温多湿を好む一方で、乾燥・高温・紫外線に弱い性質があります。60℃以上の熱水での洗濯や、天日でよく乾かすこと、通気性を保つことは菌の生存条件を崩す助けになります。ただし完全な殺菌を家庭内だけで保証することは難しく、日々の対策を積み重ねることが現実的です。
Q. 白癬菌に触れたら必ず感染しますか?
A. 触れただけで必ず感染するわけではありません。健康な皮膚のバリア機能が保たれていれば定着しにくく、付着から24時間以内に洗い流せば感染のリスクは下がるとされています。皮膚に傷がある、湿った状態が続く、といった条件が重なると定着しやすくなります。
Q. 白癬菌は皮膚科でどうやって調べますか?
A. 皮膚科では患部の角質や爪を少量採取し、顕微鏡で直接観察する検査(直接鏡検)が一般的です。菌の種類を特定する場合は培養検査を行うこともあります。自己判断がつきにくい場合は、この検査を受けることが確実な方法です。
Q. 白癬菌に効く市販薬はどれですか?
A. 国内の一般用医薬品では、テルビナフィン塩酸塩やブテナフィン塩酸塩などのアリルアミン系・ベンジルアミン系の成分が、白癬菌に対して殺菌的に働く成分として配合されています。製品ごとの配合量・使用範囲は添付文書でご確認ください。
Q. 体部白癬(たむし)と足白癬は同じ菌ですか?
A. 多くの場合、原因となる白癬菌の種類は同じか近縁です。感染した部位によって足白癬・体部白癬・股部白癬(いんきんたむし)・手白癬・爪白癬と呼び分けられていますが、対策の基本(乾燥・清潔・共用を避ける)は共通しています。
Q. 白癬菌はペットからもうつりますか?
A. 犬や猫が持つ白癬菌が人にうつることもあります(動物由来の体部白癬)。ペットの皮膚に脱毛やかさぶたが見られる場合は、動物病院での確認もあわせて検討してください。

